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真夜から久しぶりに漫画を借りた。
しかも結構前に借りたものの新巻だ。正直言って前巻の展開を全く把握していない為内容がいまいち掴めそうにない。
どうしようか…退屈しのぎの為に借りてきたというのに、頭の中に内容が入ってこない。
パラパラと見てみたけれど、前までいなかったライバル的な人間が登場している。一体誰ですか貴女は。

(こうなったら…)

僕は男だ。女の子の話に着いていくことが難しいのだから、この場合男同士が話している部分なら少しは分かるのではないか?
そう考えて、僕は男が出てくるページに目を落とした。

『知らなかったんだ、こんなに苦しかっただなんて。』

ふき出し部分のそんな台詞が目に止まり、そこから読んでみることにする。

『アイツと一緒にいると息が出来ないんだ……手を触れただけで心臓が口から出そうになっちまう。これってさ、』
「………」

途中からなのに気になるようなことを言う男に、僕は目が釘付けいなった。
息が出来ないってどういうことだ。病気なのでは?病院に行った方が良いのでは?
そして、次のページを捲り、その次に続く言葉を心の中で読み上げる。



「…え?」

それは、これから僕に付きまとうことになる

『「恋してる」ってことだろ?』

厄介な言葉





4話・完