ワンダー、フルカラー

根津の自慢のソファーに座らされ、『ソファーはソファーでもマッサージソファーじゃねぇかよ』とかいうツッコミをしている最中に、真夜子がお茶とお菓子を持って現れて。その後ろには幽霊のように突っ立っている臼田が鳥かごを抱えていて、思わず心配をしそうになった。

「ぴょろ次郎です…」

かごを差し出されたから受け取って中にいるインコを見る俺。そのインコはピヨピヨとさえずりながら、鳥かごの上から俺の手に張り付いた。

「…間違いない。」

この青いインコはまさに俺のハヤブサだ。コイツが小さい頃から面倒を見続けていた俺には痛いほど分かる。

「臼田ありがとな。コイツのことを保護してくれてさ。」

俺は鳥かごから臼田に目を反らし、奴にお礼を述べると再びハヤブサを見つめた。
まさかこんなところでコイツに会えるだなんて思ってもみなかった。だから嬉しい。また俺のところに帰って来てくれただなんて。

「っていうことは…ぴょろ次郎は連れて行かれてしまうのですか?」

臼田は寂しそうにそう言うと、肩を落としながら俺の持つ鳥かごに視線を落とす。

「動物を飼うのが夢だったのですが…まぁ、一瞬でも楽しい気持ちにさせてくださって嬉しかったです。悔いはありません。」

鳥かごの外から指を挟み入れて、近づいてきたハヤブサのくちばしをよしよしと撫でる臼田。
そして、口元を緩ませて、

「ぴょろ次郎、もう二度と家族を困らせてはいけませんよ?」

まるで子供に話し掛けるかのように、ハヤブサに優しく声を掛けた。
ハヤブサはその言葉の意味を分かったのかは分からないが…臼田に一言『ピヨ』と言って、首を傾げていて…コイツ多分何も分かっちゃいないな。

「…で、ものは相談なのですがクリームさん。」
「は?」

臼田は鳥かごから俺に視線を向けると、懐からゴソゴソと何かを取り出して…っていうか今何て言った?クリーム?

「何で…クリーム?」

懐ころから取り出されたインコの餌と、インコの飼育の本を取り出した臼田は(良く入ったもんだ)ニッコニコと楽しそうに…若干ドスの利いたオーラを出しつつハハハと笑う。