中学3年の3月。
僕は高校受験の会場にいた。
後期の入学試験。
これに落ちたら、高校浪人という、なんとも情けない人生が僕を待っていた。


勉強が出来ない訳じゃない。
むしろ出来るほうで、試験ではいつもクラスの上位にいた。
そんな僕が、後期入試の会場にいる訳。
その理由は、たった一つだ。


高校に、何の意味がある?


中学生活は、散々な思い出しかない。
きっとそれは高校に入っても何も変わらない。
変わるわけがない。
だって、僕という人間が変わらないんだから。


上辺だけの付き合い、愛想笑い、そういう事が嫌いだった。
僕は、人が怖い。何を考えてるか分からないから。
一人でいる方が、ずっと楽だ。


でも、そんなことを考えてる自分が一番嫌いだった。
こんな自分が嫌いだった。
前は、心から笑い会える仲間がいたのに、今はそいつらの事だって怖い。
僕は、どうしてしまったんだろう。


そんなことを考えていたら、開始のチャイムが鳴った。