「と、いうわけだ、中村」


「なんだよー。初瀬尾教授ならギリギリ圏外だと思ってたのに。ま、仕方ないか。いさぎよく他を探した方が早そうだし。青山先輩、想わせてくれてサンキューな。オレ、たまんなく好きだった。教授、後はよろしく」


そう言って初瀬尾教授と握手した中村くんとは、お別れ。


そして。


お別れがもう1つ。


スズメのヒナは元気よく飛べるようになり、教授の部屋の窓から見える青い空に飛び立っていった。


淋しさより、喜び。


教授とは。


喜びより愛しさ。


融け合った肌は混ざり合い離れる事なんてできない、きっとこの先ずっと。


だって、あたしは知ってしまったから。


教授との融点を。