教授との融点

「スイマセン、もう大丈夫です…」


体を離してヒナに近づくと、羽をばたつかせてまた激しくピーピー鳴いた。


ねり餌を作ってくちばしに運ぶ手が、まだちょっと震える。


「今日はどうする?家、来る?」


「でも…夜も遅いですし…」


「ハハッ。今更そんな気遣いか。まぁ寄っていけよ。車、校門前にまわすから」


電気を消して部屋を出る教授を追って、校門前で車を待った。


「乗って?」


開けてくれた助手席に乗って、教授のマンション。


ついこの間来たばかりの事を思って、頬が紅潮してくる。


暗くてわからないよ、ね?