教授との融点

わかってなんていない。


でも、そう言わなきゃ離してくれないと思った。


明日。


ちゃんと断らなきゃならない。


伝える言葉の苦さを噛み締めて、あたしは大学へ向かった。


真っ直ぐ2階の初瀬尾教授の部屋の前で足を止めて、明かりがもれている事に安心する。


まだ、いる。


一一一コン、コン


ノックしてドアを開けた。


「誰?」


「…あたし、青山です」


「ん?どうした?」


線を越えちゃいけないって思いつつも、あたしは椅子から立ち上がった初瀬尾教授の胸に飛び込んだ。