一一一ヒュ〜…ドン!


花火が打ち上がるのと同時に。


あたしの唇は中村くんに塞がれた一一一。


「…んっ…!」


深く入り込もうとする中村くんの舌を噛んで、あたしは走った。


でも、ミュールで走るあたしは精一杯でも、すぐに追いつかれてしまう。


「待って、青山先輩!」


手首が痛む程、強く掴まれた。


「待って、青山先輩!」


「離してッ!」


「ちゃんと話聞いてくれよッ」


「ヤッ!ねぇ、どうして?どうして男の人はキスとかそういう事しか求めないの!?」


「そうじゃない!好きだから、好きだから欲しいんだよッ」


「でもこんなの違う!お願い…っ…っ…離してぇ…」