1人がいいって言っても、さすがにまだ夜の淋しさは拭えない。


トモカの気遣いに感謝しながらプリントを刷って、初瀬尾教授の部屋に戻った。


教授は講義でいない。


ピーピーと鳴くスズメだけが、本で埋もれた部屋の中にいた。


「キミはいつでも元気だね?」


ピーピー


名前はつけていない。


手放す時にあまり情がうっていると悲しくなるから。


別れの悲しみは、もうこりごり。