教授との融点

「飯、作るから待ってろ」


教授がキッチンで立てる音に、安心感がこみあげた。


まだ家に帰らなくてすむ。


もう少し、もう少しだけここに居させてもらえる。


泣いたせいで襲ってくる睡魔を追いやって、黙ってソファーに座っていた。


どうしてだろう。


今さら疑問が沸き上がる。


あたしなんて誰かに持ち帰られても良かっただろうに、髪なんて切らなくても良かっただろうに…。


何故、教授はあたしを守ってくれたの?


解き放ってくれたの?