教授との融点

「あ、それとお金。餌代とか色々」


「いいよ、別に。しばらくはスズメのヒナの共同研究ってコトで。しいて言うなら使い捨てカイロ、季節外れだからなかなかなくてコンビニはしごした手間くらいかな。払える?」


「ハイ、いくらですか?」


「ちょっとこっち来て」


ヒナを発泡の箱に置いて、初瀬尾教授の机の前に立った。


「じゃなくてコッチ」


教授は窓際に立ちあたしを招く。


「払えってゆーか。見てほしい」


「何を…ですか?」


「オレを」


「えっと…毎日見てます」


「ハハッ。んー…ちょっとニュアンスが違うけど。ま、いいか」