教授との融点

「ちょっと待ってて」


「あの!あたしも降りますっ」


「乗ってて。店内の冷房がヒナの体温奪うから。そうやって手で保温してて」


「あ…ハイ」


あたしの両手の中のヒナはピーピーと鳴いたまま親鳥を求めてる。


間違ってたのかな…拾った事。


小さな命は守れないのかな…。


なんとなくの迷いが不安に変わる。


ほどなくして教授が車の中に戻ってきた。


結局、薬品を買う事はなく車は数件のコンビニをはしごして大学に戻った。