教授との融点

「ヒナってのはさ」


「…?」


「鳥のヒナってのは、巣から落ちる=死に直結。自然界じゃそれが当たり前。人間が手を貸したところでそれは一時しのぎで結果はあまり変わらない」


「ハイ…」


「どうするつもり?」


「えっと…。できれば飛べるようにしてあげたいんですけど…」


「甘いな。大変だよ?」


「でも…見つけて放っておけなくて」


「覚悟、ある?」


「え?」


「死とか巣立つ淋しさとか、覚悟ある?」


「生物学科専攻ですから」


「そ?じゃあまずペットショップ向かうよ」


車は方向転換してペットショップに向かった。