教授との融点

それから何かと気にかけてくれる。


あたしも教授のコーヒーの濃度とか、タバコの銘柄とかも覚えて、もう2ヶ月になった。


あたしと初瀬尾教授はそれ以上でもそれ以下でもない。


「さて、と。標本も片付いたし部屋に戻るか」


「ハイ」


講義が終わってすぐは、まずあたしが教授にコーヒーをいれる。


「うん、合格。いつも悪いな?これじゃ今時流行らないOLだ」


「いえ、あたしが好きでやってる事ですから」


「サンキューな。ところで今晩、鎌田教授のゼミと合同の飲み会だけど…」


「あっ!!」


「もしかして忘れてた?」


「…ハイ」


「出席さえしてくれればいいさ。向こう主催だからこっちでセッティングする事もないし。場所は?わかる?」


「えっと…。わかりません…」


「じゃ、オレ同伴な」


「ハイ、お願いします…」