+影虎+ 屋上に影が出来る。 月明かりに照らされた、美術館の屋上。 そこに影虎は降り立った。 「今日の獲物はどこにあるのかしら」 影虎は屋上から身を乗り出して、赤色が埋め尽くした世界を見つめた。 「今日は、はりきってるわねー…」 いつもはここまで埋め尽くされない。 まあ仕方ないだろう。 「天下の大泥棒さんも今日来てるみたいだし…♪」