「……どうして……刑事さんが?」

「昔のちょっとした知り合いでね」

俺が口を開くより早く彼がそう答えると、彼女は訝しげな瞳で俺と彼を交互に見た。

そんな視線を無視して彼は棚からマグカップを三個取り出し、そこに温かなコーヒーを注ぎテーブルに置いた。

それからドサッとソファーに座り、窺うように俺と柏木瑞穂を見た。

「……さて、何から話しますかね」

彼が困った様にポリポリと頭を掻いて彼女を見つめる。

しかし彼女は不安そうに表情を曇らせたまま、ギュッと強く膝を抱えた。

「……じゃ、俺から状況説明を」

そう言って彼が、今まであった事を簡潔に説明した。