「二人で会えませんか?……話したい事があるんです」

グッと拳を握りしめたままそう言うと、彼の笑い声が止んだ。

「……分かりました。今から会えますか?今は外に……あっ!」

急に彼の驚いたような声が聞こえ、スピーカーの音が乱れる。

「すいません!また後で掛けます!!」

その彼の言葉と共に電話が切られた。

……何か……あったのか。

ツーツーと無機質な電子音を聞いたまま、雨の降り注ぐ空を見上げた。