「瑞穂?」 彼に名を呼ばれ、びくっと身を竦めた。 「どうしたの?ボーっとして」 そう言って彼が不思議そうに私を見た。 「ううん!なんでもな……」 彼に手を振って見せようとした結果、その手が麦茶入りのグラスに当たり倒れた。 「……うわっ!」 彼が驚いたように立ち上がるがすでに遅く、彼のTシャツがビショビショになっている。 「ご、ごめん!」 そう言って慌ててティッシュを数枚取ると、麦茶を少しでも拭こうと彼のTシャツを掴んだ。