「……来週の土曜日が花火大会だね。そうだ……忘れる前に手帳に書いておこう」

そう言って持ってきた小さなビニールバッグをゴソゴソと漁る。

手帳にスケジュールを書くのは、中学生からの習慣だった。

……そう言えば事件があってから書くの忘れてた。

通学鞄から移してきた手帳を手にして、手帳をパラパラと開く。

しかしその手はすぐに止まった。

「……何……これ」

手帳をゆっくりと机に置いたまま、それを眺め続ける。

その様子を不思議に思ったのか、横に居た二人も同じ様に手帳を覗き込んだ。