「いや、貶してないよ?褒めてんだよ?俺なりに」
そう言って誠君が笑うと、修ちゃんは疑り深い目で誠君を見つめ続ける。
「あ~あ。嫁バカの次は親バカかよ。こりゃあ将来が大変ですね~僕ちゃん」
誠君はそう言うと、そっと赤ちゃんのプニプニのほっぺを指で押した。
「おい!!赤ん坊に触る時は抗菌ティッシュで手を拭いてから触れ!!悪い菌が移ったらどうしてくれ……」
「あ~はいはい!!すいませんね!!今、拭くってば!!」
修ちゃんの言葉を遮って誠君はそう答えると、少し呆れた様に溜息を吐きながらクスリと笑った。
その時、コンコンと扉をノックする男が聞こえる。
「はい」
「あ、近藤です」
修ちゃんの答えに、すぐに返事が返って来る。
「あと、私!」
その言葉と共に病室の扉が開かれると、そこに綾子と近藤さんが立っているのが見えた。
「おめでとう!!」
そう言って綾子は眩しい笑みを浮かべると、パタパタと私に走り寄って来る。
「ありがとう綾子」
大切な親友へそっと笑みを返すと、綾子は少しだけ複雑そうな顔をして……でも、凄く嬉しそうに優しい笑みを浮かべた。



