「……瑞……穂」 擦れた声で彼女の名を呼ぶと、彼女は小さく頷いて返した。 「もうやめよう。もういいよ……レン」 そう言って彼女は悲しそうに瞳を揺らして僕を見つめる。 「だ、ダメだよ。だって……このままじゃ……瑞穂は……」 ブンブンと首を横に振って見せると、彼女は切なそうに表情を曇らせてしまった。 しかし次の瞬間、彼女は僕に向かってそっと手を差し伸べた。