「……柏木瑞穂」 黒い服の少年が小さく私の名前を呼んだ。 「……俺は約束した。お前に嘘を吐かないと」 そう言って少年は私に向かってゆっくりと手を差し伸べる。 「……そうだね」 私のその言葉に彼はニヤリとお得意な不敵な笑みを浮かべる。 ……そう。この残酷な現実からは逃げてはならない。 ……今度こそ。 「今度は私が……彼を守って見せる」 そう言って差し伸べられた彼の手をそっと取ると、辺りが眩い光に包まれた。