何故、私は気付く事が出来なかったのだろうか。 悲しみや苦痛の全てから逃げ出し、いつも誰かに守られて私は生きてきた。 私は……何も知らない。 私は……何も悪くない。 そう言って、彼の存在に気付かない振りをしながら。 本当は知っていたのかもしれない。 私は『誰か』に守られている事を。