殆んど小学校には行っていなかった為、最初は授業について行けずに大変だったが、死に物狂いで基礎を学びそれから必死で勉強を続けたお陰で、都内でも比較的有名な大学に受かる事が出来た。

その事を叔母夫婦はとても喜んでくれ、何度も俺の事を《修司は凄い子ね》と優しく笑って褒めてくれた。

その叔母夫婦の言葉が……何より嬉しかった。

こんな風に無条件の優しさを受けたのは……遠い昔の記憶だけ。

不意に狂おしい過去の記憶が蘇り、微かに唇を噛み締める。

俺と同じ境遇の……可哀相な少女。