鈴木さんの家に入れてもらうと、鈴木さんは顔を青くしながら警察に電話を掛けてくれた。

鈴木さんが電話を掛けている間、鈴木さんが出してくれた麦茶をただ茫然と見つめていた。

……本当にお母さんは……

……一体、誰が?……あの男が犯人?

……どうして……

少し落ち着きを取り戻し、頭の中に次々に様々な考えが巡る。

その時、急に明るい音楽が聞こえてきた。

どうやらそれは自分の手から聞こえてくるようで、音の方へとそっと視線を落とす。

……携帯電話が鳴っていた。

時計を見た時から、ずっと携帯を握りしめていたみたいだ。

パカッと二つ折りの携帯を開くと、液晶に『修ちゃん』と映っている。

その文字を見て慌てて通話ボタンを押す。