「君もだ!早く!!」 そう言った刑事に手を引かれ、楠綾子も救急車へ行くように促される。 「……修司……さん」 涙を流したままの楠綾子がそう呟き、霧島修司をそっと振り向く。 それに霧島修司が優しく笑って小さく頷くと、楠綾子は苦しそうに顔を歪めその場に泣き崩れた。 しかし刑事の男に手を引かれ、彼女は救急車へと乗せられて行った。