「いただきます」 そう言って包装を解き、オムライスの黄色い卵の膜にそっとスプーンを刺した。 パクリと一口頬張り、ゴクリと喉を鳴らした。 ……美味しい。 そう思ったのと同時に……昨日、食べたオムライスの味を思い出した。 ……『彼』の作ったオムライス。 『彼』は今頃……どうしているのだろうか。 そんな事を思った瞬間、甲高い電子音が辺りに響いた。 それはどうやら彼の方から聞こえてくる。