「起きろって言ってんだろ!!」 急に聞こえた誰かの怒声に、勢いよく飛び起きた。 「……あ、あれ?」 状況が把握できないまま辺りをキョロキョロと見回すと、目の前の男が大きなため息を吐いた。 その男の姿に虚ろだった意識が覚醒し、記憶が瞬く間に蘇る。 ……鈴村探偵事務所。 心の中で今自分の居る場所の名を呟くと、少し困った様に眉を顰めている男は机の上にドサッとビニール袋を置いた。