『アキラ……いい子だね』

そう言って男が少年の頭を優しく撫で頬に口付けると、少年の服にそっと手を触れた。

男のゴツゴツとした手が静かに少年のTシャツを捲り上げ、少年の白い肌が露わになる。

そこで目にしたモノに……言葉を失った。

「……青い……蝶」

近藤が食い入るように画面を見つめたまま声を震わせた。

……そう。

少年の左の脇腹には、青い蝶の刺青が彫られていた。

幼い体に刻まれたそれは、まるでこのおぞましい世界に囚われた彼の姿とダブり、胸が苦しい程に鈍く痛む。