すると次の瞬間、一人の男が現れた。 小太りの醜い体を揺すりながら男は少年に近付くと、芋虫の様な太い指で少年の頬に触れた。 少年はビクリと体を強張らせるが、それから動く事も話す事もしない。 ……これから何が起こるのか。 そんな想像は容易く出来た。 これから起こる残酷な時を全て受け入れているかの様に、少年は大人しく何の抵抗も見せない。 隣に座る近藤は画面を見つめたまま、おぞましい何かを見るかの様に表情を強張らせていた。