僕はいつでもキミの傍に


「はい」

「えぇえ!?お、おい!ちょっと……」

眩しい笑顔と共に犬を手渡されると、眉を顰めたままそれを何とか抱き抱える。

フワフワの毛が俺の腕を撫で、なんとも言えない獣臭が俺の鼻を衝く。

犬は俺の腕の中でバタバタと暴れ、でも少し落ち着いたのかそっと俺の胸に顔をうずめた。

……可愛いかもしれない。

目から落っこちてしまうんじゃないかって程に円らな黒い瞳が、少し不安そうに俺を見上げている。

……なんか、似てる。

いつも不安そうに瞳を揺らす彼女の姿と、俺の腕の中で瞳を潤ませる犬の姿がダブって見えた。

「コイツ、お前に似てるな?」

そう言ってクスクスと笑うと、彼女は困った様に首を傾げ……それからまた眩しい笑みを浮かべた。