ちょうどその時、
「ただいまぁ〜」
って声がしてユズトくんが帰ってきた。
ナイスタイミング…!
後ろには、女性が一人。
リビングに入った瞬間、レイが
「あーっ!この女!!
ユズっ子とホテル街歩いてた!」
不躾にも指を指して、
ほらほらほらぁ〜!と隣のユマの腕を
ぐいぐい引っ張りながら興奮していた。
女性は困ったようにして、
「奥様には…大変
ご迷惑をおかけしました」
と私にお辞儀した。
それから、
「あら?…もしかして銀行で…」
と続ける。
そう、この女性は
私が小泉くんの勤務先を見張った時に
(結局不審者になっただけ…)
私に声をかけてくれた
あの可愛い笑顔のお姉さん。
「この間は、どうも」
「いえいえ…こちらこそ。
わたくし、八木と申します」
八木さんはもう一回私に頭を下げて、
今度はユマに向かって頭を下げた。

