《私と奈里は同一人物であって違う、と言ったが、違わない。》



《奈里は私の現世での私で、私はあなたに愛する心を教える夢の中の人物。そう…》




“名は奈里羽。”



彼女は二人で一人。りうは共同体の片方だった。




《あなたの心の鍵を開けられたのなら、私と奈里、奈里羽はあなたの前から消えるわ。》




消える…りうはもう、ここにはいなくなる。






眠ってもりうに会えない。目を開けても奈里に会えない。




「そんなの、だめだ!僕はそんな世界耐えられない!」





君が妖精でも構わない!








《それはいけない。》





“なぜ、あなたはわかってくれないの?”