奈里はりうでりうは奈里?
やはり【奈里=りう】であった。
「行かないでくれ、僕は君に……っ」
僕はいつしかりうに、恋心を抱いてしまっていた。いつしかないんて言葉はあわない。きっと僕は、君が出てきたあの日から君を好きだった。
『例えば君が妖精なら、僕の夢の中でしか会えないのなら、僕は一生眠るよ。』
意味をわかってほしい。
“あなたのためなら何だって出来る。”
どこかで聞いた言葉を今理解した。
こういうことか…。
あぁそうだな。
僕はりうに会うためならば何だってやれる。
妖精になれと言われたら、なってやる。
死んだっていい!!
それくらい僕は、いつの間にかりうを愛していた。
そう、夢の中で“しか”会ったことがない君に。
なのに君はこう言った。
《それはいけないの。私はあなたに死んでほしくてあなたに会いに来たわけじゃないわ。》
ならば…何がお望みなんだと、僕は言った。
《あなたに愛する心を知ってほしかったから。》
《それがワタシタチの仕事ダカラ》


