僕の夢に出てくるのは、いつしか奈里になった。



あぁ、間違えないでくれ。奈里は現実の世界でも元気に生きている。



そして…僕の目が確かなら、りうも現実の世界で生きている。




人のカタチはしているけれど、どことなく奈里に似ているけれど、背中には純白に淡いピンク色や紫色が混じった羽が生えていた。


こんな現実(リアル)あり得ない、存在しない。科学で存在されていないのだから。


しかしりうは言った。



《私が現実の世界で生きているのは、あなたが私の存在を肯定したから。これが必然であるのなら、私は帰る場所えと帰らねばならないの。》



りうは目に涙を溜めて静かにそう呟いた。



────────なぜ?



僕はその言葉がいつまでもわからなかった。




実際は理解しなかっただけなのだが。





《私は奈里で奈里は私。あなたがきっと思った方程式【奈里=りう】。同じモノが同じ世界に居てはならないのです。だから私は帰らねばならない。》




“奈里が夢の世界へ消える前に”






意味が、わからなかった。