笑ったと思えば非常に悲しんだりする。なぜと聞いても僕はりうが悲しむ理由がわからない。
なぜならりうに聞いてもりうが言う答えは“わからない”の一点張りだから。
《「弘、起きて」》
たまに夢か現実かわからなくなるときがある。
今の言葉は夢の中で言ったりうの言葉と、“夢”から覚めるか覚めないかの境界線をさ迷っているときに聞こえた“現実”での奈里の声か。
今僕の目の前にいるのはどっちなんだろうって…。
奈里?それとも、りう?
『どちらがどちらでも構わないじゃないか。』
どこからかふと聞こえた悪魔の囁き。とか言ってみるが、実際は僕の心の声。イコール本音。
どっちが奈里?
どっちがりう?
そんなの構わない。
けれど僕の妖精はそっと呟くんだ。
《夢と現実(リアル)は違う。故に…》
《“私と奈里は同一人物であって違うの。”》
そう…、確かにりうは現実の世界で呟いた。
………────りう?


