奈里が僕の大切な人となったのはついこないだで、まだまだ初々しい僕ら。
そういや、奈里は、りうとよく似ていた。
例えば笑った時の顔
笑った時にくしゃっとなる仕草や、えくぼが出来るその瞬間の目、口の口角の上がり方など細かいが本当によく似ていた。
これはただの偶然?
いや、そうではない。
ただの“必然”なのかもしれない。必然とは決められた出来事のことを指す。
例えば奈里が夢の中に出てくる少女“りう”だったとする。
仮定だが、つまり奈里=りうであるということ。
そんなことはない。あり得ない。しかしあまりにも似すぎているのだ。
世界に似ている人は3人いると祖母から聞いたことがあるが、こんなに似るものだろうか?
しかしやはり違うなと思うときがある。
何故そう言えるか…
こんなことが言えるのは【奈里=りう】という式が成り立てばの話だが。
まず、りうはたまに奈里とは違う素顔を見せる。


