ある日から、夢の中に出てくる少女は言葉を発していった。
覚えているのはこの言葉だけ
《私の名前はりう…あなた…は?》
毎回同じ言葉を発する“りう”なぜ毎回かは、わからない。もしかしたら違う言葉を“りう”は発していたかもしれない。
しかし残念なことに僕のところへ記憶は曖昧だった。
毎日毎日りうが出てくるわけじゃなかった。しかし、りうはここ最近頻繁に夢に出てくるようになった。
そしてりうは毎回、僕の顔を見るなり嬉しそうな顔をする。
だけれどその笑顔は一瞬だけ。彼女は笑みを見せた瞬間徐々に悲しみに満ちた顔をしてしまう。
同様に僕の大切な人である奈里もそうだった。
奈里は僕の彼女となり、僕の大切な女性。
奈里もなぜかりうと同じことをする。理由を聞いてもわかりゃしない。
あぁ、違うとこならあった。奈里はは羽を生やしてはいなかった


