「おかえりなさい、秋。春が来てるよ。」
そっか、今日は春姉の誕生日だ…
「久しぶりだな春姉。」
「お!秋、男前になってんじゃん♪」
そう言いながらワシャワシャと俺の大事な髪の毛をクシャクシャにしやがった。
「おまっ、春姉ふざけんな!」
クスクスと笑ってソファーに座った春姉。
ちなみに春姉の隣には旦那さんの力也さんがいる。
「久しぶり、秋。元気だったか?」
「力也さん!それに…あ、佐代!でかくなったな〜」
佐代とは春姉の子供。今は3歳かな?
「もうすぐ夏樹と綾香さんと冬美が帰って来るわよ。」
夏樹とは19歳の兄貴で綾香さんは兄貴の彼女。冬美は14歳の俺の妹。
「ゴホッゴホッ…」
「あらやだ風邪〜?」
「あ、やだ。佐代にうつすなよ?」
我ながら失礼な姉貴だと思う。
「わかってらぁ。」
風邪なんてひいてたか?俺。
「体冷やしたな、うん。」
これが病の初期段階とかなんかなんて…俺にゃわかんなかった。


