例えば君が





「愛せるのなら…愛したいよ」



奈里は私が夢で弘に会っていることは知っているが、頻繁に会っていることは知らない。





『りう、好きだ…』





弘が言った





いつの日かの夢の中で





私はいつものように“木の下”で本を読み、弘が私に気付くと笑顔で弘によっていく…はずだったのに。




“りう、好きだ”




何よそれ…




不意打ちの告白






そんなのはならない。





だって私は妖精奈里羽



の、片割れのりう。




私は弘と付き合うことはできないし、それより奈里を裏切ることは出来ない。





なのに…



なのになのになのに。





「あなたは私を苦しめる、あなたは私の破壊者、ですね?」



ごめんなさい




理性が勝ってしまった。





『りう…?え…、敬語?』




「ごめんなさい…。」




あなたの夢のログを消させていただきます。






弘は私を好きになっていた