彼だけのお姫様♪

「おじゃましまーす」


「涼、お前自分ちだろ??なに改まって挨拶してんだよっ!?」


なんか…お気楽なノリだな…。


そう思うとちょっと心が軽くなった。


「いらっしゃい♪」


「翔~お前自分ちじゃねーだろ~」


「竜のツッコミってヘタだよね」


夏菜がすばやく竜を批判する。


「え~??マジ?俺今まで自分がツッコミうまいと思って生きてきたんだけど」


「安心しな。竜は何もかもが間違ってるから今さら気にすることないよ」


「そっかぁ~って!!それフォローになってねぇ!!」


美夢の冷静なフォロー(?)にさえも竜はズタボロにされている。


「お前ら。今から大事な話だからさ。楽しい雰囲気はここまでにして、座って??」


翔は真剣さを顔にだして、皆に言う。


皆に言っちゃうんだ。


「何??やっぱ今日休んだことに関係あんの??結婚とか~??」


「おい。てめー真剣な話だっつってんだろ」


「はい…」


まだお気楽な雰囲気をかもしだしていた竜に翔は怖い視線を送る。


真剣な雰囲気を感じたのか、それとも翔が怖かったのか、竜は素直にいすに座った。


あたしたち二人も並んでいすに座る。


震えるあたしの手を翔は握ってくれる。


『一人じゃない』って言ってくれてるみたいで、安心できた。


心が落ち着いた。


翔がゆっくり口を開く。