「あの、あたしですけど…」
男はそういって立ったあたしに近づいてくる。
なんとなく、危険信号があたしの中でなったきがした。
だから、ちょっとづつ後ろに下がってみたんだけど…
それが間違いだったみたい。
後ろは壁で、逃げ場はなくて…
まぁ、逃げる必要なんてないんだけどね。
「へぇ~君が、葵空ちゃんかぁ~かわいいね」
男は舐めるように私を、ていうか私の体(?)を見ている。
やっぱ、危険じゃない??
あたしの中の危険信号再発。
逃げなきゃ。なぜだかわからないけどそう思って逃げようとしたときにはもう遅かった。
男がしっかりとあたしの手を握っている。
これじゃ、逃げようがないよね…
てかこれであきらめちゃだめじゃん??
必死に抵抗してみるけどやっぱ男の力には勝てないわけで…
周りの皆はあたしたちの関係を何だと思っているのか、ニヤニヤと笑うだけで
助けてはくれず…
薄情者たちめ。
友達の気持ちぐらい分かれよ!!
て思ってみても伝わるわけなくて。
「ね、なんで逃げようとするわけ??」
は?お前がなんか危険だからに決まってるだろ!!
って思うんだけど、それは声にださず。
「なんとなく??女の勘ってやつかな」
かわいく答えてみる。
「へぇ~じゃあさ、その女の勘って当たるんだね」
