話し終わると、皆一様にポカンとした顔をしていた。
優美は時おり舟を漕いではいたが、何とか起きていたらしい。
「なるほど。
ずっと友達以上恋人未満だった、ってこと?
お母さんとお父さんが?」
「そうよ。
ずーっと曖昧な関係だったわよね。
相当、周囲の人間からしたら、焦れったかったんでしょうけど。」
「それにしても、親父とおふくろがサプライズで華恵と優作さんの挙式やった、っていうのもビックリだぜ。
オレとしては、クルーズ船で挙式はせずにプロポーズだけに留めておきたいけど。
自分たちのプロポーズにしろ、友佳さんと一成さんの挙式にしろ、好きだね、サプライズ。」
「その方がパパとママらしいわ。
それより、今は面影がないけれど、将輝さんと奈斗さんの性格がねじ曲がってたのは驚いたわね。
ここまで、人って変われるのね。
参考にさせてもらうわ。
華恵さん、優作さん、それからパパとママ。
素敵なお話をありがとう。」
彩ちゃんは、メイちゃん似だな。
真っ直ぐな子に育つだろう。
「そろそろ夕暮れ時ですよ、夜ご飯のお支度をしますので、プールからお上がりください、体も冷えます。」
彩ちゃんの執事、藤原さんが呼びに来た。
すると、パタパタと温水プールに駆け込んできた少女がいた。
花柄のワンピースに黄色いカーディガンを着た女の子。
「どうした、椎菜。
迷った?」
「あ、椎菜!
こんなところにいた!
探したのよ?
一緒に寝てる、と思ったらいないんだもの。」
椎菜ちゃんの母親、菜々美ちゃんが息を切らして駆けつけた。
「あまり1人にならないの、もう!
気管支丈夫じゃないんだから……
風邪ひいたらどうするの?」
椎菜ちゃんの手を引こうとした彼女の薬指に、結婚指輪がないことに気がついた。
そのことを話すと、今気がついた、という顔をした。
「プールから上がるときに落としたかな?」
赤いタイルで出来たハイビスカスの一部だけが眩しく夕陽を反射していることに気づいた。
麗眞くんがその場所目掛けて潜ると、水面から上がった彼の掌の中には、菜々美さんの結婚指輪があった。
「麗眞くん、ありがとう!」
「ありがとうね、麗眞!
お母さんの指に指輪が嵌ってないの、気付いちゃって。
遊び疲れたのか、真っ直ぐ部屋に向かってすぐ寝ちゃったし、落としたのはここしかない!って思ったの。
だから探そうとしたけど、ここまで来るのに迷っちゃって……
ねぇ麗眞、部屋まで案内して?」
「ん、お安い御用。
言われなくてもそうするつもりだったけど。
また迷われて何かあったら困る。」
そう言いながら、麗眞くんは椎菜ちゃんの手を自然に握っている。
「ねぇ、蓮太郎くんにメイちゃん?
ちょっと、2人とも耳を貸してくれる?」
菜々美ちゃんが2人に囁いた言葉は、オレには聞こえなかった。
菜々美ちゃんが優美にお口チャックの合図をしていたから、彼女には聞こえていたのだろう。
何と言っていたのか、後でこっそり彼女に聞くとしよう。
優美は時おり舟を漕いではいたが、何とか起きていたらしい。
「なるほど。
ずっと友達以上恋人未満だった、ってこと?
お母さんとお父さんが?」
「そうよ。
ずーっと曖昧な関係だったわよね。
相当、周囲の人間からしたら、焦れったかったんでしょうけど。」
「それにしても、親父とおふくろがサプライズで華恵と優作さんの挙式やった、っていうのもビックリだぜ。
オレとしては、クルーズ船で挙式はせずにプロポーズだけに留めておきたいけど。
自分たちのプロポーズにしろ、友佳さんと一成さんの挙式にしろ、好きだね、サプライズ。」
「その方がパパとママらしいわ。
それより、今は面影がないけれど、将輝さんと奈斗さんの性格がねじ曲がってたのは驚いたわね。
ここまで、人って変われるのね。
参考にさせてもらうわ。
華恵さん、優作さん、それからパパとママ。
素敵なお話をありがとう。」
彩ちゃんは、メイちゃん似だな。
真っ直ぐな子に育つだろう。
「そろそろ夕暮れ時ですよ、夜ご飯のお支度をしますので、プールからお上がりください、体も冷えます。」
彩ちゃんの執事、藤原さんが呼びに来た。
すると、パタパタと温水プールに駆け込んできた少女がいた。
花柄のワンピースに黄色いカーディガンを着た女の子。
「どうした、椎菜。
迷った?」
「あ、椎菜!
こんなところにいた!
探したのよ?
一緒に寝てる、と思ったらいないんだもの。」
椎菜ちゃんの母親、菜々美ちゃんが息を切らして駆けつけた。
「あまり1人にならないの、もう!
気管支丈夫じゃないんだから……
風邪ひいたらどうするの?」
椎菜ちゃんの手を引こうとした彼女の薬指に、結婚指輪がないことに気がついた。
そのことを話すと、今気がついた、という顔をした。
「プールから上がるときに落としたかな?」
赤いタイルで出来たハイビスカスの一部だけが眩しく夕陽を反射していることに気づいた。
麗眞くんがその場所目掛けて潜ると、水面から上がった彼の掌の中には、菜々美さんの結婚指輪があった。
「麗眞くん、ありがとう!」
「ありがとうね、麗眞!
お母さんの指に指輪が嵌ってないの、気付いちゃって。
遊び疲れたのか、真っ直ぐ部屋に向かってすぐ寝ちゃったし、落としたのはここしかない!って思ったの。
だから探そうとしたけど、ここまで来るのに迷っちゃって……
ねぇ麗眞、部屋まで案内して?」
「ん、お安い御用。
言われなくてもそうするつもりだったけど。
また迷われて何かあったら困る。」
そう言いながら、麗眞くんは椎菜ちゃんの手を自然に握っている。
「ねぇ、蓮太郎くんにメイちゃん?
ちょっと、2人とも耳を貸してくれる?」
菜々美ちゃんが2人に囁いた言葉は、オレには聞こえなかった。
菜々美ちゃんが優美にお口チャックの合図をしていたから、彼女には聞こえていたのだろう。
何と言っていたのか、後でこっそり彼女に聞くとしよう。



