飛行機でグズるかと思った優華だったが、大人しかった。
前日に優美や優華を寝かしつけて、自分は寝不足だったであろう、オレの奥さん。
彼女は離陸するなり眠ってしまっていた。
「お前の奥さん、寝不足か?」
「3歳児、って手がかかるものね。
それを過ぎて幼稚園なり保育園入れられれば楽なんだけどね。」
メイちゃんやレンも、オレの妻を心配してくれている。
「それでいて、敏腕弁護士だものね。
グアムのために依頼バシバシこなして、法廷が終わった後に裁判所をフラフラで歩いていたのを見てられなくて、そっと彼女の依頼を手伝った、ってジュリアが言ってたわ。」
「ちょっとでもリフレッシュしてもらいたくてこのグアムを計画したんだ。
仕事のことは忘れてリラックスさせてやるのも旦那であるミツの役割だぞ。」
「分かってる。
優美、小学校3年生なのに、家事をよくやってくれて、ご飯まで作ってくれるしな。
いいお嫁さんになれるな。
まだどこにも出す気はないが。」
「優美ちゃん、朝ごはん作れるの?
偉いねー!
琥珀《こはく》も、ピアノとジークンドーばかりに夢中になってないで、たまには手伝ってくれてもいいと思うんだけどな?
女の子は何かあると怖いから、護身術みたいなのも大事だけど、何年か後に好きな子が出来たときのために、料理くらいはできると得よ?」
「優美ちゃん、偉いなー。
ウチの椎菜《しいな》もそんな感じにさせちゃってるの、ちょっと悪いな、って思うけど。
椎菜もよくお風呂洗うのとかやってくれてて、誇らしいわ。」
「ウチの深月《みづき》もだな。
私とかは泊まりで学会とか入ったり、将輝もドラマの仕事とか入ると、家に深月が一人になっちゃうし。
そんなときは申し訳なくなるけど。」
優美がきっかけになって、それぞれの夫婦の子供の自慢話が始まった。
「本当はよくないのよ、両親がいない部屋に子供だけ、って。
今のご時世、虐待を疑われることもあるしね。
本当は、事前にスケジュールを把握して、宝月の屋敷に呼べればいいのだけれど。」
皆にお菓子を差し出しながらそう言うのは、子どもたちの中では一番年長で中学2年生の彩《あや》ちゃんだ。
さすがは、宝月家の長女。
言うことが違う。
「それいいな、姉貴。
よく椎菜の親御さんには、一緒に遊んでくれ、って頼まれるけど。
皆で遊べば寂しくなくなるだろ。
今度やってみるか?」
それに同調しながら、さりげなく椎菜ちゃんの頭を撫でるのは、宝月家の長男、麗眞《れいま》くんだ。
何だかその仕草が幼少期、ハナにレンがしていた仕草と酷似していて、血は争えないな、と感じた。
着陸のアナウンスが入った。
4時間には満たないフライトも、終わりの時間のようだ。
「皆、忘れ物ない?
降りるよ!」
「私はお父さんと手を繋ぐから、お母さんは優華をお願い!
お母さん、足元気をつけてね!」
「さすが、しっかり者2人の血を継いだ娘だ。
幼少期のハナに似てるな。」
レンにそう言われて、誇らしくなった。
転びそうになった矢榛と菜々美ちゃんの娘の椎菜ちゃんは、レンの息子が抱き留めていた。
「気をつけろよな?
怪我とかない?
ホラ、危なっかしいから手。
ちゃんと握って、離すなよ?」
「レンそっくりだな。
幼少期の頃のお前を見てるみたいだ。
蛙の子は蛙、とはこのことだな。」
「っせーな。
……しょうがないだろ。
彩がメイに似すぎている分、麗眞はオレに似たんだ。」
「グアム到着ー!」
時差はグアムのほうが、日本より1時間進んでいる。
「写真撮ろー!
写真!」
メイちゃんが流暢な英語を話して、写真撮影を依頼している。
「OK!」
「皆、並んで!
写真撮るわよ!」
自然に、背が低い自分の息子や娘たちを先頭にして並ぶ。
「Thank you,so much!」
「Never mind!
Have a nice trip and take care!」
レンも、負けずに英語は流暢だ。
さすが宝月グループのトップ。
「気にしないで、気をつけて楽しんでね!ってところね。
なかなか気さくな人じゃない。
良かったわね、ママ。」
「まぁ、当然だな。
カメラのシャッター押すなんて、些細なお願いだからな。
こういう観光地では特に。
よく頼まれるからこそ、気にするなって言ったんだろうし。」
英語が流暢な母親と父親を持つ娘と息子も、英語は理解しているようだ。
やはり、あの両親あってあの子供ありだ。
出国審査は難なく終わった。
空港を出ると、黒いスーツを着込んだ人が、オレたちに向かって頭を下げた。
「この人数を一気に全員は乗せられません。
帳 様方、浅川様方、矢榛様方は、私、藤原の車にどうぞ。
申し遅れました。
私、旦那さまと奥様の娘であらせられる、彩お嬢様の執事、藤原《ふじわら》と申します。
お見知りおきを。」
オレたちと宝月家の面々は、武田さんが別荘まで送るという。
前日に優美や優華を寝かしつけて、自分は寝不足だったであろう、オレの奥さん。
彼女は離陸するなり眠ってしまっていた。
「お前の奥さん、寝不足か?」
「3歳児、って手がかかるものね。
それを過ぎて幼稚園なり保育園入れられれば楽なんだけどね。」
メイちゃんやレンも、オレの妻を心配してくれている。
「それでいて、敏腕弁護士だものね。
グアムのために依頼バシバシこなして、法廷が終わった後に裁判所をフラフラで歩いていたのを見てられなくて、そっと彼女の依頼を手伝った、ってジュリアが言ってたわ。」
「ちょっとでもリフレッシュしてもらいたくてこのグアムを計画したんだ。
仕事のことは忘れてリラックスさせてやるのも旦那であるミツの役割だぞ。」
「分かってる。
優美、小学校3年生なのに、家事をよくやってくれて、ご飯まで作ってくれるしな。
いいお嫁さんになれるな。
まだどこにも出す気はないが。」
「優美ちゃん、朝ごはん作れるの?
偉いねー!
琥珀《こはく》も、ピアノとジークンドーばかりに夢中になってないで、たまには手伝ってくれてもいいと思うんだけどな?
女の子は何かあると怖いから、護身術みたいなのも大事だけど、何年か後に好きな子が出来たときのために、料理くらいはできると得よ?」
「優美ちゃん、偉いなー。
ウチの椎菜《しいな》もそんな感じにさせちゃってるの、ちょっと悪いな、って思うけど。
椎菜もよくお風呂洗うのとかやってくれてて、誇らしいわ。」
「ウチの深月《みづき》もだな。
私とかは泊まりで学会とか入ったり、将輝もドラマの仕事とか入ると、家に深月が一人になっちゃうし。
そんなときは申し訳なくなるけど。」
優美がきっかけになって、それぞれの夫婦の子供の自慢話が始まった。
「本当はよくないのよ、両親がいない部屋に子供だけ、って。
今のご時世、虐待を疑われることもあるしね。
本当は、事前にスケジュールを把握して、宝月の屋敷に呼べればいいのだけれど。」
皆にお菓子を差し出しながらそう言うのは、子どもたちの中では一番年長で中学2年生の彩《あや》ちゃんだ。
さすがは、宝月家の長女。
言うことが違う。
「それいいな、姉貴。
よく椎菜の親御さんには、一緒に遊んでくれ、って頼まれるけど。
皆で遊べば寂しくなくなるだろ。
今度やってみるか?」
それに同調しながら、さりげなく椎菜ちゃんの頭を撫でるのは、宝月家の長男、麗眞《れいま》くんだ。
何だかその仕草が幼少期、ハナにレンがしていた仕草と酷似していて、血は争えないな、と感じた。
着陸のアナウンスが入った。
4時間には満たないフライトも、終わりの時間のようだ。
「皆、忘れ物ない?
降りるよ!」
「私はお父さんと手を繋ぐから、お母さんは優華をお願い!
お母さん、足元気をつけてね!」
「さすが、しっかり者2人の血を継いだ娘だ。
幼少期のハナに似てるな。」
レンにそう言われて、誇らしくなった。
転びそうになった矢榛と菜々美ちゃんの娘の椎菜ちゃんは、レンの息子が抱き留めていた。
「気をつけろよな?
怪我とかない?
ホラ、危なっかしいから手。
ちゃんと握って、離すなよ?」
「レンそっくりだな。
幼少期の頃のお前を見てるみたいだ。
蛙の子は蛙、とはこのことだな。」
「っせーな。
……しょうがないだろ。
彩がメイに似すぎている分、麗眞はオレに似たんだ。」
「グアム到着ー!」
時差はグアムのほうが、日本より1時間進んでいる。
「写真撮ろー!
写真!」
メイちゃんが流暢な英語を話して、写真撮影を依頼している。
「OK!」
「皆、並んで!
写真撮るわよ!」
自然に、背が低い自分の息子や娘たちを先頭にして並ぶ。
「Thank you,so much!」
「Never mind!
Have a nice trip and take care!」
レンも、負けずに英語は流暢だ。
さすが宝月グループのトップ。
「気にしないで、気をつけて楽しんでね!ってところね。
なかなか気さくな人じゃない。
良かったわね、ママ。」
「まぁ、当然だな。
カメラのシャッター押すなんて、些細なお願いだからな。
こういう観光地では特に。
よく頼まれるからこそ、気にするなって言ったんだろうし。」
英語が流暢な母親と父親を持つ娘と息子も、英語は理解しているようだ。
やはり、あの両親あってあの子供ありだ。
出国審査は難なく終わった。
空港を出ると、黒いスーツを着込んだ人が、オレたちに向かって頭を下げた。
「この人数を一気に全員は乗せられません。
帳 様方、浅川様方、矢榛様方は、私、藤原の車にどうぞ。
申し遅れました。
私、旦那さまと奥様の娘であらせられる、彩お嬢様の執事、藤原《ふじわら》と申します。
お見知りおきを。」
オレたちと宝月家の面々は、武田さんが別荘まで送るという。



