そのまま、オレはスーツに、ハナは赤いドレスに着替えて、そのまま料理を囲んで歓談を楽しんだ。
「お礼の言葉なんて言い尽くせないくらい、感謝している。
ありがとう、レン。
それに、レンの奥さんや、それぞれの夫婦も。
子供を託児施設やら、一時保育やら、それぞれの血縁者に預けてまで、このクルーズ船に乗ってくれたんだろ?」
彼らは、一様に首を振った。
「チャイルドマインダーと保育士の資格を持つ宝月家の人に見てもらってるわ。
このクルーズ船の空き部屋でね?」
「さっき、聞いたんだよ。
お前がお世話になる弁護士事務所の所長の娘さんから。
身ごもらせても体制は整ってるから、安心しろって。
タイミング見て、早くアイツらみたいになるのもいいな、ハナ。」
隣にいる可愛い奥さんの耳元で囁くと、着ているドレスの色と同じくらい顔を真っ赤にした。
メイちゃんは、まさかここに来ているとは思わなかったようで、日系アメリカ人の子と話し込んでいる。
「来るなら言ってよね、ジュリア!」
「んー?
貴女も知らないほうが二重のサプライズになると思ったからね。
それに、1人目の女の子は見たことあったけど、2人目の男の子の顔も見たかったの。」
「あの子をよろしくね、ジュリア。
地頭もいいし、日本人の勤勉さを絵に描いたように努力家な子よ。」
「知っているわ。
私の父、彼らが通う大学の教授だもの。
自分が教えている学生に、将来はウチに来ないか?って声を掛けるのは5年に1回、あるかないかなの。
そんな中、足りない知識は何とか頭をフル回転させて答えを導き出すところのある彼女に目をつけた、って話よ。」
ハナと話していた大学の教授、今メイちゃんと話している女の子の父親が、オレに近寄ってきた。
「おめでとう!
部下の挙式に呼んでもらえるほど嬉しいことはない。
彼女には、厳しめの司法修習生カリキュラムを考えている。
旦那である君との子供を、仮に来年くらいに授かった時に、キャリアの分断が起こらないようにね。
1年4ヶ月分のカリキュラムを1年でやる。
試験の時期だけはずらせないけどね、その分濃密な知識と経験が彼女には入る。
君を新居で1人にさせることも多くなってしまうが大丈夫かね?」
「問題ありません。
そばにいなくても、何となく、愛する妻がどんな思いでいるのかは理解できるつもりです。
そこまで考慮してくださり、ありがとうございます。
私の妻を、よろしくお願いいたします。」
『皆様。
ご歓談も弾んでいる頃でしょうが、レインボーブリッジ越しに東京タワーがご覧いただけますので、デッキに出ていただくことをオススメいたします。』
放送は、再び武田さんの声で入った。
言われるがままデッキに出ると、ライトアップされた橋と東京タワーがキラキラと煌めいている。
「綺麗だよ!
ねぇ、ミツ!」
はしゃぐオレの妻は、襲いたいくらい可愛い。
胸下からフリルのある赤いドレスのせいで、フリルより胸元に目がいく。
「ハナ。
景色より、オレだろ?」
誰かが、思い出したようにグラスをフォークで叩いた。
……今かよ。
愛しい妻を抱き寄せて、唇を重ねた。
「ねぇ、当たるんだけど……」
「んー?
奥さんが色っぽいドレス着てるから。
何ならさ、本気で来年くらいに、子作り考えちゃおうか?」
「ねぇ、何か思考回路がレンに似てきたね。
さすが幼なじみ。」
呆れたように言いながら、ハナの方から唇を重ねてくれた。
館内放送を入れられる場所に行きたいと言い出したオレの妻。
なるほど、そういうことか。
彼女の手を引いて、レンに場所を聞く。
武田さんからマイクを奪った彼女は、合唱部の所属だったおかけでよく通るソプラノトーンで話し出す。
『皆様、先ほどまで主役でした 御劔 華恵です。
本日は、皆様仕事や子育てにお忙しい中、素敵な式をしてくださったことを、本当に感謝しています!
まさか、旦那もサプライズに加担していたなんて思いもしませんでした。
ありがとうございました。
皆様から受けた祝福を力にして、夫にも支えてもらいながらこれからの人生を夢に向かって歩んで行けたらと思っております。
これからも、温かいご声援をよろしくお願いいたします。
以上です!』
こういうところだよ、ハナ。
そんなふうに最高の気遣いができるところに、オレは惚れたんだ。
そんなお前を妻に迎えられて、幸せだ。
クルーズ船から降りた後は、そのまま宝月邸にお世話になった。
これからは、皆で集まる頻度も減っていくのだろうな。
何しろ、オレたちと麻紀ちゃん、真以外は全員子持ちだ。
オレはまだ知らない。
これから数年後に、昨夜みたいなバカ騒ぎができることを。
「お礼の言葉なんて言い尽くせないくらい、感謝している。
ありがとう、レン。
それに、レンの奥さんや、それぞれの夫婦も。
子供を託児施設やら、一時保育やら、それぞれの血縁者に預けてまで、このクルーズ船に乗ってくれたんだろ?」
彼らは、一様に首を振った。
「チャイルドマインダーと保育士の資格を持つ宝月家の人に見てもらってるわ。
このクルーズ船の空き部屋でね?」
「さっき、聞いたんだよ。
お前がお世話になる弁護士事務所の所長の娘さんから。
身ごもらせても体制は整ってるから、安心しろって。
タイミング見て、早くアイツらみたいになるのもいいな、ハナ。」
隣にいる可愛い奥さんの耳元で囁くと、着ているドレスの色と同じくらい顔を真っ赤にした。
メイちゃんは、まさかここに来ているとは思わなかったようで、日系アメリカ人の子と話し込んでいる。
「来るなら言ってよね、ジュリア!」
「んー?
貴女も知らないほうが二重のサプライズになると思ったからね。
それに、1人目の女の子は見たことあったけど、2人目の男の子の顔も見たかったの。」
「あの子をよろしくね、ジュリア。
地頭もいいし、日本人の勤勉さを絵に描いたように努力家な子よ。」
「知っているわ。
私の父、彼らが通う大学の教授だもの。
自分が教えている学生に、将来はウチに来ないか?って声を掛けるのは5年に1回、あるかないかなの。
そんな中、足りない知識は何とか頭をフル回転させて答えを導き出すところのある彼女に目をつけた、って話よ。」
ハナと話していた大学の教授、今メイちゃんと話している女の子の父親が、オレに近寄ってきた。
「おめでとう!
部下の挙式に呼んでもらえるほど嬉しいことはない。
彼女には、厳しめの司法修習生カリキュラムを考えている。
旦那である君との子供を、仮に来年くらいに授かった時に、キャリアの分断が起こらないようにね。
1年4ヶ月分のカリキュラムを1年でやる。
試験の時期だけはずらせないけどね、その分濃密な知識と経験が彼女には入る。
君を新居で1人にさせることも多くなってしまうが大丈夫かね?」
「問題ありません。
そばにいなくても、何となく、愛する妻がどんな思いでいるのかは理解できるつもりです。
そこまで考慮してくださり、ありがとうございます。
私の妻を、よろしくお願いいたします。」
『皆様。
ご歓談も弾んでいる頃でしょうが、レインボーブリッジ越しに東京タワーがご覧いただけますので、デッキに出ていただくことをオススメいたします。』
放送は、再び武田さんの声で入った。
言われるがままデッキに出ると、ライトアップされた橋と東京タワーがキラキラと煌めいている。
「綺麗だよ!
ねぇ、ミツ!」
はしゃぐオレの妻は、襲いたいくらい可愛い。
胸下からフリルのある赤いドレスのせいで、フリルより胸元に目がいく。
「ハナ。
景色より、オレだろ?」
誰かが、思い出したようにグラスをフォークで叩いた。
……今かよ。
愛しい妻を抱き寄せて、唇を重ねた。
「ねぇ、当たるんだけど……」
「んー?
奥さんが色っぽいドレス着てるから。
何ならさ、本気で来年くらいに、子作り考えちゃおうか?」
「ねぇ、何か思考回路がレンに似てきたね。
さすが幼なじみ。」
呆れたように言いながら、ハナの方から唇を重ねてくれた。
館内放送を入れられる場所に行きたいと言い出したオレの妻。
なるほど、そういうことか。
彼女の手を引いて、レンに場所を聞く。
武田さんからマイクを奪った彼女は、合唱部の所属だったおかけでよく通るソプラノトーンで話し出す。
『皆様、先ほどまで主役でした 御劔 華恵です。
本日は、皆様仕事や子育てにお忙しい中、素敵な式をしてくださったことを、本当に感謝しています!
まさか、旦那もサプライズに加担していたなんて思いもしませんでした。
ありがとうございました。
皆様から受けた祝福を力にして、夫にも支えてもらいながらこれからの人生を夢に向かって歩んで行けたらと思っております。
これからも、温かいご声援をよろしくお願いいたします。
以上です!』
こういうところだよ、ハナ。
そんなふうに最高の気遣いができるところに、オレは惚れたんだ。
そんなお前を妻に迎えられて、幸せだ。
クルーズ船から降りた後は、そのまま宝月邸にお世話になった。
これからは、皆で集まる頻度も減っていくのだろうな。
何しろ、オレたちと麻紀ちゃん、真以外は全員子持ちだ。
オレはまだ知らない。
これから数年後に、昨夜みたいなバカ騒ぎができることを。



