「新郎は、新婦と、私たちの孫になる子を、生涯かけて愛すると誓いますか?」
父親は、司会の和貴くんからマイクを受け取ると、そう、一成に問いかけた。
「誓います。」
「新郎は忙しくても、娘の友佳や、2人の子供と過ごす時間を大切にすると誓いますか?」
「誓います。」
「最後に、2人に問います。
一生、お互いと添い遂げて、苦楽を共にすることを誓いますか?」
「誓います。」
打ち合わせなんて一切していない。
それでも、私と一成の声はハモった。
「新郎新婦、そして新郎のお父様、素敵な誓いの言葉をありがとうございました。」
「続いて、指輪の交換に移ります。
指輪は、新婦の友人であります、添島 麻紀様からお二人に渡されます。」
「おめでとう。
友佳をよろしくね?」
そう言って渡してくれた指輪。
そういえば、いつの間に指輪、嵌ってなかったんだろう。
私の細い指に指輪が通る。
何だかプロポーズの時を思い出してこそばゆい気持ちになった。
一成の指にも、関節に引っかかったりしながら何とか通すことができた。
そして、ベールが上げられて、一成から、愛してる、の言葉と共に、唇が重なる。
シャッター音がしばらく止むことはなかった。
「愛してる。
友佳が一番だけど、その次にこの子も、ね?」
そっと私のお腹に手を当てながら、耳元でその台詞を言われる。
照れるじゃん、もう。
「続きまして、お祝いのスピーチを新郎新婦をよく知る方よりいただきます。
まずは、新婦の上司、関根 裕美《せきね ゆみ》様よりいただきます!」
パチン、と指が鳴ると、スポットライトに照らされたのは、私がアルバイトをしている美容室のオーナーだった。
スポットライトに照らされながらマイクまで歩き、その前で一礼した。
え、なんで?
とテーブルを見ると、私にいつも優しくアドバイスをくれる先輩社員が全員、それぞれドレスアップして座っている。
『この度は、新婦、友佳さん並びに新郎、一成さん、そしてご両家の皆様。
この度はご結婚おめでとうございます。
先程ご紹介にあずかりました、新婦の勤務先の美容室キュアのオーナーをしております、関根 裕美と申します。
諸先輩方を前に誠に僭越ではございますが、一言お祝いを述べさせていただきます。
友佳さんが入社したのは、ちょうど1年前のことです。
働きながら美容師を目指したいと、研修制度もしっかりしているいうことで入社されました。
その真面目かつ熱心な仕事ぶりは見ている私たちも大いに向上心を刺激されました。
お客様からの評判もよく、来店したお客様の受付は友佳さんに任せるのですが、友佳さん、今日はいるの、などとお客様からお声がかかることも多いです。
明るく人懐っこい性格と、空き時間には美容師にあるヘアカットの雑誌や本を読んでいたりする努力家の姿勢の賜物だと思っています。
そんな友佳さんがこの度結婚すると聞いて、驚きと同時に、一緒に円卓を囲んでいる部下たちと共に、自分のことのように飛び上がって喜んだことを覚えています。
友佳さんは、そんな一成さんのことを、場の空気をしっかり読んで、それに合わせた臨機応変振る舞いができる器用な方だと話してくれたことがありました。
お会いしたのは今日が初めてですが、友佳さんが言われている通りの方だという印象を受けました。
これからは互いに協力しあって、明るく楽しく笑い会える家庭を築いていってください。
長くなりましたが、謹んでお二人のご多幸と、ご両家の今後の繁栄をお祈りいたしまして、私の祝辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。』
オーナーの優しい言葉に、私の目からは自然に涙が溢れていた。
父親は、司会の和貴くんからマイクを受け取ると、そう、一成に問いかけた。
「誓います。」
「新郎は忙しくても、娘の友佳や、2人の子供と過ごす時間を大切にすると誓いますか?」
「誓います。」
「最後に、2人に問います。
一生、お互いと添い遂げて、苦楽を共にすることを誓いますか?」
「誓います。」
打ち合わせなんて一切していない。
それでも、私と一成の声はハモった。
「新郎新婦、そして新郎のお父様、素敵な誓いの言葉をありがとうございました。」
「続いて、指輪の交換に移ります。
指輪は、新婦の友人であります、添島 麻紀様からお二人に渡されます。」
「おめでとう。
友佳をよろしくね?」
そう言って渡してくれた指輪。
そういえば、いつの間に指輪、嵌ってなかったんだろう。
私の細い指に指輪が通る。
何だかプロポーズの時を思い出してこそばゆい気持ちになった。
一成の指にも、関節に引っかかったりしながら何とか通すことができた。
そして、ベールが上げられて、一成から、愛してる、の言葉と共に、唇が重なる。
シャッター音がしばらく止むことはなかった。
「愛してる。
友佳が一番だけど、その次にこの子も、ね?」
そっと私のお腹に手を当てながら、耳元でその台詞を言われる。
照れるじゃん、もう。
「続きまして、お祝いのスピーチを新郎新婦をよく知る方よりいただきます。
まずは、新婦の上司、関根 裕美《せきね ゆみ》様よりいただきます!」
パチン、と指が鳴ると、スポットライトに照らされたのは、私がアルバイトをしている美容室のオーナーだった。
スポットライトに照らされながらマイクまで歩き、その前で一礼した。
え、なんで?
とテーブルを見ると、私にいつも優しくアドバイスをくれる先輩社員が全員、それぞれドレスアップして座っている。
『この度は、新婦、友佳さん並びに新郎、一成さん、そしてご両家の皆様。
この度はご結婚おめでとうございます。
先程ご紹介にあずかりました、新婦の勤務先の美容室キュアのオーナーをしております、関根 裕美と申します。
諸先輩方を前に誠に僭越ではございますが、一言お祝いを述べさせていただきます。
友佳さんが入社したのは、ちょうど1年前のことです。
働きながら美容師を目指したいと、研修制度もしっかりしているいうことで入社されました。
その真面目かつ熱心な仕事ぶりは見ている私たちも大いに向上心を刺激されました。
お客様からの評判もよく、来店したお客様の受付は友佳さんに任せるのですが、友佳さん、今日はいるの、などとお客様からお声がかかることも多いです。
明るく人懐っこい性格と、空き時間には美容師にあるヘアカットの雑誌や本を読んでいたりする努力家の姿勢の賜物だと思っています。
そんな友佳さんがこの度結婚すると聞いて、驚きと同時に、一緒に円卓を囲んでいる部下たちと共に、自分のことのように飛び上がって喜んだことを覚えています。
友佳さんは、そんな一成さんのことを、場の空気をしっかり読んで、それに合わせた臨機応変振る舞いができる器用な方だと話してくれたことがありました。
お会いしたのは今日が初めてですが、友佳さんが言われている通りの方だという印象を受けました。
これからは互いに協力しあって、明るく楽しく笑い会える家庭を築いていってください。
長くなりましたが、謹んでお二人のご多幸と、ご両家の今後の繁栄をお祈りいたしまして、私の祝辞とさせていただきます。
本日は誠におめでとうございました。』
オーナーの優しい言葉に、私の目からは自然に涙が溢れていた。



