「不安?メイちゃん。」
そう、愛実ちゃんから問いかけられる。
「そりゃ、不安だよね。
アメリカでは18歳まで義務教育だもんね。
そこから、日本の高校生と同じように大学に入る子もいる。
大学には入らないけどボランティアに打ち込む人もいる。
義務教育を終えたから働く!って人もいるでしょうね。
そのどれも、メイちゃんは選んでない。
周囲から見ると、自分はイレギュラーに見られる。
そんな不安、吐露しないようにしてるけど、心の奥底にあるでしょ。
……いいんだよ?
ここでは、そんな不安ぶちまけても、誰も鼻で笑ったりなんてしない人たちが揃ってる。
もちろん、貴女の旦那さんもね?」
「……ホントはね、ちょっとどころか、かなり不安。
アメリカだと無敗の検事、なんて言われてね。
敵ながら、ジュリアって子と法廷でのバトルが終わると、今みたいな感じでカフェで話したりもするんだ。
彼女にも、蓮太郎と居るようになってから穏やかになったね、なんてよく言われるの。
それは、蓮太郎のおかげでもある。
もちろん、ここにいる皆のおかげでも。
でもね、やっぱり心の奥底に引っかかるんだ。
もし、近々、蓮太郎との子供ができたら。
人の親になるんだ、って。
アメリカでも、大体義務教育終わったら大学に行くわ。
ちょうど、ハナちゃんと御劔くんみたいに。
学生の間に婚約しておいて、実際の結婚まで2年とか3年かけるパターンが多いの。
私は、婚約から結婚までは1年あったけど。
ちゃんとブランクを感じさせずにこっちで検事の仕事が出来るかも不安なの。
蓮太郎のことよ、もう1人くらいは、子供がほしいはず。
私もそれには同意したけど。
その間にも、どんどんキャリア的には置いてけぼりになるけだし。
その不安は消えないわ。」
「ごめん、私だけ自分語りを長々と……!」
「いいの。
気にしないでいいのよ、メイちゃん。
こんな場だからこそ、むしろ腹を割って話してほしいの。
大丈夫。
貴女の旦那さんにホイホイと伝えたりしないから。
カウンセラー志望の私を筆頭に、皆口が堅い人ばかりよ。」
ああ、やっぱり、あの母あってこの子ありだ。
「私、もう由紀ちゃんの母親に話を聞いてもらったことがあるのだけれど。
その時の彼女と被って見えたわ。
私が保証する。
……無理してお勉強しなくても、立派なカウンセラーになれるわ。
アメリカで無敗の検事のお墨付きじゃ、不満かしら?」
すると、由紀ちゃんの瞳から一筋、透明な涙が流れた。
「ううん。
むしろ嬉しい……!
将輝も、今度こそ更生が最終段階で、奈斗くんと同じスクール通って、ちゃんと俳優として向こうでやっていけるように頑張ってるの。
TOEFLの試験だって、私が少しアドバイスしただけで、あとは独学で高得点取って。
私も将輝に負けないように頑張らないと、愛想つかされちゃう、って気持ちがどこかにあったのかもしれない。
素直にしんどい、なんて口にしたの、たった今で2年ぶりくらいよ。」
「それだけしんどかったか。
大丈夫。
将輝くんはそんなことで愛想尽かしたりしないよ。
むしろ、しんどい、って言ったらやっと言ったか、みたいな感じで頭撫でて、ベッドの上で甘やかしてくれるんじゃない?
それこそ朝まで。
由紀、昔からしんどいとか疲れた、ってめったに言わない子だったもん。
しんどいとか疲れた、って言わないまま、ある日突然風邪引いて、それでようやく自覚するんじゃない?
将輝くんに惚れたときも、アンタそんな感じだったじゃない。」
愛実ちゃん、よく言った。
心理学に傾倒していなかったら、法曹界に欲しい人材だったくらい口が達者な彼女が言葉に窮した。
相手が、自分こそが由紀ちゃんの大親友だと豪語する愛実ちゃんだからこそだろう。
「そうそう。
奈斗がよく言ってるよ。
将輝の彼女さん、いつ休んでるんだ?って。
有海、何なら将輝の家に行って、子守唄代わりに1曲弾きに行ってやれよ、とも言われるけど。
子守唄代わりになりそうなバラード曲、今練習中ではあるんだけどね。」
「仲いいなぁ。
有海のところも、由紀のところも。
私とミツは、私が弁護士資格取ったら挙式云々の話になると思うの。
その間に、あと2年後くらいにプロポーズされて挙式して、3年後くらいにはほとんどが子供産んでそう。
そしたらまさかの高校とかで、例えばナナ、有海、由紀とかの子供が同じ高校で同じクラス、とかあったら、もう運命だよね!」
ついでに、その中の誰かの子供同士で恋愛とかもあれば、酒の肴になりそうだなぁ。」
……酒の肴、って。
「ハナはすぐ酔いそうだなぁ。
その前に受け付ける?お酒。
ハナ、保健の授業でお酒に耐性あるかのテストで見るも無残なくらい赤くなったじゃない。
まぁ、下戸だとしても楽しめばいいのよ!
お酒飲める歳になって、なおかつ時間あればこうして集まろうね!」
「あるかなぁ。
うまい具合にバラけそう。
でも、そういうの、いいかも!
親同士が知り合い、ってそこから話広がるもんね!」
まさか、ほとんどハナちゃんの言うとおりになるとは、この時は知る由もない。
そう、愛実ちゃんから問いかけられる。
「そりゃ、不安だよね。
アメリカでは18歳まで義務教育だもんね。
そこから、日本の高校生と同じように大学に入る子もいる。
大学には入らないけどボランティアに打ち込む人もいる。
義務教育を終えたから働く!って人もいるでしょうね。
そのどれも、メイちゃんは選んでない。
周囲から見ると、自分はイレギュラーに見られる。
そんな不安、吐露しないようにしてるけど、心の奥底にあるでしょ。
……いいんだよ?
ここでは、そんな不安ぶちまけても、誰も鼻で笑ったりなんてしない人たちが揃ってる。
もちろん、貴女の旦那さんもね?」
「……ホントはね、ちょっとどころか、かなり不安。
アメリカだと無敗の検事、なんて言われてね。
敵ながら、ジュリアって子と法廷でのバトルが終わると、今みたいな感じでカフェで話したりもするんだ。
彼女にも、蓮太郎と居るようになってから穏やかになったね、なんてよく言われるの。
それは、蓮太郎のおかげでもある。
もちろん、ここにいる皆のおかげでも。
でもね、やっぱり心の奥底に引っかかるんだ。
もし、近々、蓮太郎との子供ができたら。
人の親になるんだ、って。
アメリカでも、大体義務教育終わったら大学に行くわ。
ちょうど、ハナちゃんと御劔くんみたいに。
学生の間に婚約しておいて、実際の結婚まで2年とか3年かけるパターンが多いの。
私は、婚約から結婚までは1年あったけど。
ちゃんとブランクを感じさせずにこっちで検事の仕事が出来るかも不安なの。
蓮太郎のことよ、もう1人くらいは、子供がほしいはず。
私もそれには同意したけど。
その間にも、どんどんキャリア的には置いてけぼりになるけだし。
その不安は消えないわ。」
「ごめん、私だけ自分語りを長々と……!」
「いいの。
気にしないでいいのよ、メイちゃん。
こんな場だからこそ、むしろ腹を割って話してほしいの。
大丈夫。
貴女の旦那さんにホイホイと伝えたりしないから。
カウンセラー志望の私を筆頭に、皆口が堅い人ばかりよ。」
ああ、やっぱり、あの母あってこの子ありだ。
「私、もう由紀ちゃんの母親に話を聞いてもらったことがあるのだけれど。
その時の彼女と被って見えたわ。
私が保証する。
……無理してお勉強しなくても、立派なカウンセラーになれるわ。
アメリカで無敗の検事のお墨付きじゃ、不満かしら?」
すると、由紀ちゃんの瞳から一筋、透明な涙が流れた。
「ううん。
むしろ嬉しい……!
将輝も、今度こそ更生が最終段階で、奈斗くんと同じスクール通って、ちゃんと俳優として向こうでやっていけるように頑張ってるの。
TOEFLの試験だって、私が少しアドバイスしただけで、あとは独学で高得点取って。
私も将輝に負けないように頑張らないと、愛想つかされちゃう、って気持ちがどこかにあったのかもしれない。
素直にしんどい、なんて口にしたの、たった今で2年ぶりくらいよ。」
「それだけしんどかったか。
大丈夫。
将輝くんはそんなことで愛想尽かしたりしないよ。
むしろ、しんどい、って言ったらやっと言ったか、みたいな感じで頭撫でて、ベッドの上で甘やかしてくれるんじゃない?
それこそ朝まで。
由紀、昔からしんどいとか疲れた、ってめったに言わない子だったもん。
しんどいとか疲れた、って言わないまま、ある日突然風邪引いて、それでようやく自覚するんじゃない?
将輝くんに惚れたときも、アンタそんな感じだったじゃない。」
愛実ちゃん、よく言った。
心理学に傾倒していなかったら、法曹界に欲しい人材だったくらい口が達者な彼女が言葉に窮した。
相手が、自分こそが由紀ちゃんの大親友だと豪語する愛実ちゃんだからこそだろう。
「そうそう。
奈斗がよく言ってるよ。
将輝の彼女さん、いつ休んでるんだ?って。
有海、何なら将輝の家に行って、子守唄代わりに1曲弾きに行ってやれよ、とも言われるけど。
子守唄代わりになりそうなバラード曲、今練習中ではあるんだけどね。」
「仲いいなぁ。
有海のところも、由紀のところも。
私とミツは、私が弁護士資格取ったら挙式云々の話になると思うの。
その間に、あと2年後くらいにプロポーズされて挙式して、3年後くらいにはほとんどが子供産んでそう。
そしたらまさかの高校とかで、例えばナナ、有海、由紀とかの子供が同じ高校で同じクラス、とかあったら、もう運命だよね!」
ついでに、その中の誰かの子供同士で恋愛とかもあれば、酒の肴になりそうだなぁ。」
……酒の肴、って。
「ハナはすぐ酔いそうだなぁ。
その前に受け付ける?お酒。
ハナ、保健の授業でお酒に耐性あるかのテストで見るも無残なくらい赤くなったじゃない。
まぁ、下戸だとしても楽しめばいいのよ!
お酒飲める歳になって、なおかつ時間あればこうして集まろうね!」
「あるかなぁ。
うまい具合にバラけそう。
でも、そういうの、いいかも!
親同士が知り合い、ってそこから話広がるもんね!」
まさか、ほとんどハナちゃんの言うとおりになるとは、この時は知る由もない。



