ボーダー

「んっ……」

ハナが起きた。

「ハナ?
おはよ。

……よく寝てたね?
まぁ……当然か。
いっぱい可愛い声で鳴いてくれたしね?

……オレも溜めてた分出せたし、満足。」

「ちょっ……
もう、それ言わないで!」

ポコポコと、オレの胸板を叩くハナ。

「拗ねちゃった?可愛い婚約者さん。」

「拗ねてない!
恥ずかしいだけだもん!

シャワー浴びてくる!」

そう言って、タオルとポーチを持って部屋を出ていったオレの婚約者。

……可愛すぎるでしょ。

「ハナ、朝食7時だよ?」

「うん、分かってる!」

ホントに分かってるのか?
今は6時だぞ。

30分くらいで部屋に戻ってきて、洗面台を独占したハナ。

「目の下のクマは少しはマシになったな。
紅い痕も隠れてないや。
もう、誰のせいでクマと紅い痕できたと思ってるのよ……!」

「ごめん。
紅い痕くらいは、黒沢夫婦以外皆あるだろうけど、クマはオレのせいだ。
ホントごめん。
……機嫌直せって。」

洗面台の柱に婚約者の身体を押し付けて、深く唇を重ねて、舌を絡める。

彼女が着ているギンガムチェックのワンピースに赤いカーディガン。
ギンガムチェックのワンピースの胸元にはリボンとギャザーがあるので、そこに目がいく。
さらに、ワンピースの丈が膝丈で欲情しそうになる。

「ね、そんな格好で水族館行くの?
可愛いから、オレはいいけど。

他の野郎に、可愛い婚約者の素肌晒したくないってちょっと思うんだよね。

水族館デート終わったら、パイナップルパークも行くんだよ?

それ終わったらこの部屋でイチャつこうか。

それならいいよ?」

「んも、エッチな婚約者さん。
そういうところも好きだけど。

じゃあ、そうしようか。

イチャつくついでに、ブライズメイドとアッシャーのリーダーらしく、いろいろ認識のすり合わせするのもいいかもね。」

ハナがそう言うなら、いいか。

「もう6時50分だ。
行こうか。」

ベージュのスニーカーを履いたハナと2人で手を繋いで、レストランに向かった。

ちょうど、黒沢夫婦以外の皆が来たところだった。

「おはよ。」

「大丈夫?
ハナ、顔色悪いよ?」

「大丈夫。
ちょっと婚約者さんが寝かせてくれなかったから寝不足なだけ。」

「そう言うなら、心配しすぎることはないんだろうけど、無理はしないでね?
ハナちゃん。」

レンの奥さんと麻紀ちゃんがそう言いながら、オレをジト目で見たのが気になった。

「黒沢夫婦は?」

皆が、首を横に振る。

来ないのは大方予想できたが、明日までには何とか、せめて気まずい雰囲気だけはなんとかしていてもらいたい。

バチェラーパーティー、バチェロレッテパーティーに響く。
ひいては、連携が大切なレンとその奥さんの挙式にも響くのだ。

ビュッフェ形式の朝食を食べ終えると、部屋に戻って水族館に行くための荷物を持って、ハナと2人でホテルの部屋を出た。