ボーダー

レンの奥さんが解散でいい、と言うのでその言葉に従って自分たちの部屋に戻った。
何だか気まずい雰囲気になりながら2人でベッドに座る。

「あのさ。
いつから気付いてたんだ?友佳ちゃんが妊娠してるかもしれない、って。」

ハナに尋ねた。

「んー?
何となく。
友佳は沖縄旅行初日から眠そうにしてたし、食欲もなさげだったから。
割と空調効いて寒いくらいだった機内も、七分袖のシャツの袖を捲くってたしね。
妊娠するとホルモンの影響で熱っぽくなる人もいるから。

それに、インキャンの時に友佳は、早く籍入れて結婚したい、何ならデキ婚でもいい!
って言ってたからね。」

そんなことを言ってたのか。
そう言えば、さっき麻紀ちゃんもそんなことを言っていた。

「さすが、同性同士は分かるんだな。
そういうの。
他の夫婦に世話焼くのもハナらしくて好きだ。

やっぱり、ハナを選んでよかった。
ご褒美あげる。

……止める気ないけど、覚悟出来てる?
可愛い婚約者さん。」

ハナが返事をする前に、深く唇を重ねる。

ハナの身体の力が抜けた。

抱かれる覚悟、できたってことだね?

「ん……っ……」

カーディガンも、オレとお揃いのパジャマも、あっという間に脱がせる。
ボルドーの下着の上下は珍しい。
……もしかして。

「珍しいね、その色。
勝負下着、ってやつ?」

「あっ……」

焦らすように、下着の上から触られる。

「直が、いい……」

「んー?おねだりするの上手い婚約者と夜を楽しめて幸せ。」

キスをしたあと、可愛くて珍しい色の下着のホックを外して、下の布も剥ぎ取る。

オレも、薄い布1枚は脱がないまま、パジャマだけを脱ぐ。

「恥ずかしい……」

「恥ずかしがってる婚約者、エロくて可愛い。
可愛い声、聞かせて?」

オレはそう言って、可愛い婚約者を愛でた。
刺激すると、婚約者が甘くて可愛い声を出してくれる場所なら、既に脳が記憶している。

ひとしきり声を聞いたあと、ゆっくり彼女の頭を撫でる。
オレのはちきれそうな膨らみを覆う布を取り、後ろを向いて薄い膜を被せる。

今は、その時期ではない。
婚約者がきちんと夢を叶えて、彼女のキャリアに傷がつかない時が、薄い膜ナシで夜を楽しむ時だ。

「オレは、いつか、コレは無しで、とは思ってるけどさ。
学生の内に、ってわけにはいかないからちゃんとするよ?
そこは安心してほしい。」

少なくとも、今は冷静に話し合うことが出来ているのかすら、危うい夫婦と同じ轍は踏んでなるものか。

その時に守りたいものを守れるような土台を整えてから、子作りに勤しみたいと思っている。

深いキスをしながら、ゆっくりハナと繋がる。

「愛してる。
ちゃんと幸せにするから。」

優しく、とろけそうな顔をしている婚約者の耳元で言う。

「婚約者さん、これからもずっと一緒よ?
司法試験受かったら、もう籍入れちゃう、っていうのもいいかもね。
それはおいおい考えていこ。

よろしくね。」

可愛いことを言うな。
十分に動く前に出てしまった。

「っ……!
やべっ、今回早かった。
誰かさんが可愛いこと言うからだよ?

でも、オレとしてはまだまだイケるけど。
まだ足りないなら付き合って?」

まだまだ、婚約者との甘い夜は終わらない。