映像は、珠美の高校の、やたらセキュリティの高い校門から始まっていた。
指紋を使って門を開けるのだ。
さすがに、これはどうしょうもないらしい。
次に、昇降口だ。これもセキュリティが高く、虹彩認証になっている。
他人では絶対に靴箱は開けられないようになっているらしい。
そのセキュリティのおかげで、上靴は盗まれたり、隠されたりはしていないようだ。
しかし、教室に入った瞬間から、それは始まっている。
入ってくる瞬間に床に箒が落ちて、それに引っかかった由紀が転んだのだ。
ベージュのスカートと黒のハイソックスに挟まれた白い膝には傷ができていた。
『鈍くさいねー!』
『それくらい避けろよー!』
という甲高い声が聞こえる。
女子共か。
ロッカーも、指紋で開けるようで中のものは無事だが、教科書は落書きだらけだった。
さらに、黒板には俺も暗記している、由紀の携帯番号と、俺の知らない、由紀のメールアドレスが書かれていた。
その横に、高校生らしからぬ言葉が。
『寂しいので、誰か身体で慰めてください。』
その横には、由紀のスリーサイズまで書かれていた。
おい。これ、完璧に個人情報だろ。
携帯電話が鳴るたびに顔を青くしている由紀。
電話の内容までは聞き取れないが、きっといかがわしい言葉を言われているのだろう。
『アハハ!いい気味。
調子に乗るんじゃないわよ!
教師に媚び売って、単位余計に貰ってるんでしょ?
卑怯よ!』
……何が卑怯だ。
卑怯なのはてめえらだろ。
教室移動の後も、由紀の分の机と椅子はなく、彼女だけパイプ椅子に座って授業を受けていた上に、教師にしっかりノートを取れと理不尽に叱られていた。
自分の膝を机代わりにして必死にノートを取っていた由紀だが、そのせいで上手く書けず、もたついている間に無慈悲に板書は消された。
……教師までいじめに加担していやがる。
さらに、体育の授業ではバスケだったのだが、パスを回されなかったり、わざと身体をぶつけられたりもしていた。
体育の間に、盗まれたりしないように小分けにしていた小銭入れから、あろうことか500円が盗まれていたのだ。
これ、窃盗罪だろ。
教室移動の前に嘘の教室を教えられたり、課題提出を知らされなかったりもしていた。
教師と生徒双方からいじめを受けている状況は苦痛だろう。
……個人情報もある程度漏れている。
こりゃ、俺が、デーティング相手にしたようなことを、由紀もされる恐れがある。
最悪、一生由紀の顔を見ることが出来なくなるかもしれない。
見るのは、彼女がもうこの世にはいないことを知らせるニュースの映像、なんてこともあり得る。
……それだけは避けたい。
やっと、由紀を正式に守れる彼氏という立場になれたのだ。
大事な彼女を守るのが、彼氏の責務だ。
映像は、突然パソコンの画面に切り替わった。
パソコン画面を映像に収めているらしい。
……何だこれは。
そこには、修学旅行先で隠し撮りしたと思われる、由紀の下着姿の画像と共に、黒板に書かれていた慰めてくださいの文言と、スリーサイズが書き込まれていた。
映像は、ここで止まっていた。
……ここまでされているのを、由紀は知らないだろう。
わなわなと、俺の手が怒りで震える。
「……許せねぇ。
由紀を、俺の女をこんな目に遭わせやがって。
アイツも、ここまでされてると、男の俺には言えないよな。
俺も、喜んで協力する。
何より、大事な由紀をこれ以上、傷つけさせねぇよ。」
何で、この男は、今こんな映像を持ってきたのか。
勇馬と自分の弟まで連れて。
俺は、蓮太郎という名前の男を、病室の外のラウンジに連れ出した。
指紋を使って門を開けるのだ。
さすがに、これはどうしょうもないらしい。
次に、昇降口だ。これもセキュリティが高く、虹彩認証になっている。
他人では絶対に靴箱は開けられないようになっているらしい。
そのセキュリティのおかげで、上靴は盗まれたり、隠されたりはしていないようだ。
しかし、教室に入った瞬間から、それは始まっている。
入ってくる瞬間に床に箒が落ちて、それに引っかかった由紀が転んだのだ。
ベージュのスカートと黒のハイソックスに挟まれた白い膝には傷ができていた。
『鈍くさいねー!』
『それくらい避けろよー!』
という甲高い声が聞こえる。
女子共か。
ロッカーも、指紋で開けるようで中のものは無事だが、教科書は落書きだらけだった。
さらに、黒板には俺も暗記している、由紀の携帯番号と、俺の知らない、由紀のメールアドレスが書かれていた。
その横に、高校生らしからぬ言葉が。
『寂しいので、誰か身体で慰めてください。』
その横には、由紀のスリーサイズまで書かれていた。
おい。これ、完璧に個人情報だろ。
携帯電話が鳴るたびに顔を青くしている由紀。
電話の内容までは聞き取れないが、きっといかがわしい言葉を言われているのだろう。
『アハハ!いい気味。
調子に乗るんじゃないわよ!
教師に媚び売って、単位余計に貰ってるんでしょ?
卑怯よ!』
……何が卑怯だ。
卑怯なのはてめえらだろ。
教室移動の後も、由紀の分の机と椅子はなく、彼女だけパイプ椅子に座って授業を受けていた上に、教師にしっかりノートを取れと理不尽に叱られていた。
自分の膝を机代わりにして必死にノートを取っていた由紀だが、そのせいで上手く書けず、もたついている間に無慈悲に板書は消された。
……教師までいじめに加担していやがる。
さらに、体育の授業ではバスケだったのだが、パスを回されなかったり、わざと身体をぶつけられたりもしていた。
体育の間に、盗まれたりしないように小分けにしていた小銭入れから、あろうことか500円が盗まれていたのだ。
これ、窃盗罪だろ。
教室移動の前に嘘の教室を教えられたり、課題提出を知らされなかったりもしていた。
教師と生徒双方からいじめを受けている状況は苦痛だろう。
……個人情報もある程度漏れている。
こりゃ、俺が、デーティング相手にしたようなことを、由紀もされる恐れがある。
最悪、一生由紀の顔を見ることが出来なくなるかもしれない。
見るのは、彼女がもうこの世にはいないことを知らせるニュースの映像、なんてこともあり得る。
……それだけは避けたい。
やっと、由紀を正式に守れる彼氏という立場になれたのだ。
大事な彼女を守るのが、彼氏の責務だ。
映像は、突然パソコンの画面に切り替わった。
パソコン画面を映像に収めているらしい。
……何だこれは。
そこには、修学旅行先で隠し撮りしたと思われる、由紀の下着姿の画像と共に、黒板に書かれていた慰めてくださいの文言と、スリーサイズが書き込まれていた。
映像は、ここで止まっていた。
……ここまでされているのを、由紀は知らないだろう。
わなわなと、俺の手が怒りで震える。
「……許せねぇ。
由紀を、俺の女をこんな目に遭わせやがって。
アイツも、ここまでされてると、男の俺には言えないよな。
俺も、喜んで協力する。
何より、大事な由紀をこれ以上、傷つけさせねぇよ。」
何で、この男は、今こんな映像を持ってきたのか。
勇馬と自分の弟まで連れて。
俺は、蓮太郎という名前の男を、病室の外のラウンジに連れ出した。



