眠い。眠すぎる。
だけどまあ、仕方ないか。
レンたちのいるニューヨークは朝7時。
日本は……ただいま夜の9時。
ほとんど寝ていない。
もちろんその理由は、オレもハナも、調べものに手がいっぱいで眠れないから。
その合間に宿題もこなすのでてんてこ舞いだ。
調べているのは、浅川 将輝とかいう男のこと。
3日くらい泊まり込んで調べてるけど、収穫はない。
諦めて寝ようと思っていると、部屋にノックの音が響いた。
「柏木だ。
お前らに助け舟だ。
入るぞ?」
柏木室長が、急にドアを開けて入ってきた。
手にはクリップボードを持っている。
「調べたぞ。
……浅川 将輝ってやつのこと。」
「一人っ子で、普段はおとなしい性格。
なのに、意外によく喋るそうだ。
……特にゲームに関しては。
家庭環境がかなり複雑らしい。
母親は彼が幼い頃に死亡。
父親が最近、無理心中で亡くなっていて、危うく本人も巻き込まれそうになったそうだ。
その影響で、時々アメリカに渡り、そこの精神科医やカウンセラーによるカウンセリングを受けているらしい。
そのカウンセラーの娘でお前ら2人の中学の同級生、珠美 由紀もたまに手伝いでアメリカに行っているようだ。
その関係で、心理学の教授に気に入られ、アメリカの大学への入学も考えているようだがな。」
……日本にいるときの生活先は、『賢正学園』という養護施設だ。
身寄りがなく、そこに引き取られたそうだ。」
「室長……
わざわざ調べてくれたんですか?」
「まぁな。
というか、その珠美 由紀からのタレコミだ。
ハナが数ページにも渡るWordファイルを送ってきたから、何かと思ったぞ。
そいつと繋がりがあるのは……帳 奈斗って名前の奴だ。
ハナによると、ソイツはお前らの知り合いなんだろ?
後は自分たちで調べてくれ。
俺も、志穂との挙式の準備で猫の手も借りたいくらい忙しいんだ。
それから、早く寝ろよ?」
「はい!
ありがとうございます!」
オレが頭を下げると、仮眠室のタンスの上にクリップボードを置いて、去っていった。
2人で適当に、仮眠室のベッドに座る。
ハナがタンスの上にあったそれを取り、オレにも見せてくれた。
オレやレン、レンの想い人である女の子、今回情報をくれた由紀ちゃんとも同い年だ。
由紀ちゃんの書き起こしだろうか。
かなり細かな情報まで書かれていた。
『【所見】
今回は、雑談役として同年代の未成年の異性、Yと一緒にいさせて、経過を観察。
少なからず、Yに心を開いているようではある。
Yについて彼に尋ねると、以下のような返答が本人からあった。
『同年代の、しかも女性は周囲にあまり居なかったから新鮮だった。
それに、何でも話を聞いてくれるので心が落ち着く』
Yが沈んだ顔をしていると心配するなど、同年代の男の子が持つ年相応の恋愛感情に近いものも抱いている様子。
この下に、丁寧な字が書かれている。
これだけはボールペンで、手書きだ。
『なお、今回は、事件の被害者、Mを嫌いになることで、本格的にYへ好意を向けたいという想いがあった。
しかし、Mを嫌いになる方法が分からなかったため、Mから嫌いになってもらうべく、このような行為に及んだと推察。
普通に別れてくれと素直にMに伝えなかったのは、女性経験が少なすぎて考えが及ばなかったのか、はたまた自分の言動で傷つく異性を見たくなかったのか。
どちらなのかは今後のカウンセリングで推し量る必要があると考える。』
ここまで、詳細に推察して意見を書けるとは。
世の中にはすごい人がいるものだ。
そんなことを思っていると、ハナが甘えるようにオレの膝に倒れ込んできた。
無防備にも程がある。
襲うぞ?
だけどまあ、仕方ないか。
レンたちのいるニューヨークは朝7時。
日本は……ただいま夜の9時。
ほとんど寝ていない。
もちろんその理由は、オレもハナも、調べものに手がいっぱいで眠れないから。
その合間に宿題もこなすのでてんてこ舞いだ。
調べているのは、浅川 将輝とかいう男のこと。
3日くらい泊まり込んで調べてるけど、収穫はない。
諦めて寝ようと思っていると、部屋にノックの音が響いた。
「柏木だ。
お前らに助け舟だ。
入るぞ?」
柏木室長が、急にドアを開けて入ってきた。
手にはクリップボードを持っている。
「調べたぞ。
……浅川 将輝ってやつのこと。」
「一人っ子で、普段はおとなしい性格。
なのに、意外によく喋るそうだ。
……特にゲームに関しては。
家庭環境がかなり複雑らしい。
母親は彼が幼い頃に死亡。
父親が最近、無理心中で亡くなっていて、危うく本人も巻き込まれそうになったそうだ。
その影響で、時々アメリカに渡り、そこの精神科医やカウンセラーによるカウンセリングを受けているらしい。
そのカウンセラーの娘でお前ら2人の中学の同級生、珠美 由紀もたまに手伝いでアメリカに行っているようだ。
その関係で、心理学の教授に気に入られ、アメリカの大学への入学も考えているようだがな。」
……日本にいるときの生活先は、『賢正学園』という養護施設だ。
身寄りがなく、そこに引き取られたそうだ。」
「室長……
わざわざ調べてくれたんですか?」
「まぁな。
というか、その珠美 由紀からのタレコミだ。
ハナが数ページにも渡るWordファイルを送ってきたから、何かと思ったぞ。
そいつと繋がりがあるのは……帳 奈斗って名前の奴だ。
ハナによると、ソイツはお前らの知り合いなんだろ?
後は自分たちで調べてくれ。
俺も、志穂との挙式の準備で猫の手も借りたいくらい忙しいんだ。
それから、早く寝ろよ?」
「はい!
ありがとうございます!」
オレが頭を下げると、仮眠室のタンスの上にクリップボードを置いて、去っていった。
2人で適当に、仮眠室のベッドに座る。
ハナがタンスの上にあったそれを取り、オレにも見せてくれた。
オレやレン、レンの想い人である女の子、今回情報をくれた由紀ちゃんとも同い年だ。
由紀ちゃんの書き起こしだろうか。
かなり細かな情報まで書かれていた。
『【所見】
今回は、雑談役として同年代の未成年の異性、Yと一緒にいさせて、経過を観察。
少なからず、Yに心を開いているようではある。
Yについて彼に尋ねると、以下のような返答が本人からあった。
『同年代の、しかも女性は周囲にあまり居なかったから新鮮だった。
それに、何でも話を聞いてくれるので心が落ち着く』
Yが沈んだ顔をしていると心配するなど、同年代の男の子が持つ年相応の恋愛感情に近いものも抱いている様子。
この下に、丁寧な字が書かれている。
これだけはボールペンで、手書きだ。
『なお、今回は、事件の被害者、Mを嫌いになることで、本格的にYへ好意を向けたいという想いがあった。
しかし、Mを嫌いになる方法が分からなかったため、Mから嫌いになってもらうべく、このような行為に及んだと推察。
普通に別れてくれと素直にMに伝えなかったのは、女性経験が少なすぎて考えが及ばなかったのか、はたまた自分の言動で傷つく異性を見たくなかったのか。
どちらなのかは今後のカウンセリングで推し量る必要があると考える。』
ここまで、詳細に推察して意見を書けるとは。
世の中にはすごい人がいるものだ。
そんなことを思っていると、ハナが甘えるようにオレの膝に倒れ込んできた。
無防備にも程がある。
襲うぞ?



